沖縄におけるSAF/リニューアブルディーゼル製造事業の事業化検討を開始

2023.07.26

当社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:岡 豊)は、グループ会社の南西石油株式会社(本社:沖縄県中頭郡西原町、代表取締役社長:村上 統)が所有する設備・遊休地を活用し、持続可能な航空燃料(Sustainable Aviation Fuel、以下「SAF」)および軽油の代替燃料であるリニューアブルディーゼル(以下「RD」)大規模製造の事業化検討を開始しましたのでお知らせします。当社は今後もカーボンニュートラル社会の実現に向けた取り組みを積極的に進めてまいります。

1.検討の背景

当社は2016年に南西石油を買収後、沖縄県へ石油製品の安定供給を行うとともに、南西石油の遊休地を活用した、地域社会に貢献し得る新たな事業創出を検討しています。沖縄県は再生可能エネルギーを活用した大規模な電源開発が困難な地域であり、石油や石炭を始めとする化石燃料への依存度が全国的にも高い状況です。また、沖縄県内におけるCO₂排出量の内、航空機やトラック・バス・船舶などの運輸部門に占める割合が最も大きく、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた、CO₂排出量を大幅に削減可能なクリーンエネルギーとして、SAFやRDの利用が期待されています。

2.検討の概要

本事業ではAlcohol to Jet(ATJ)技術*を用いた年間最大約22万KLの国産SAF/RD製造を想定しており、2028年度中の供給開始に向けて検討を進めてまいります。
原料となるエタノールは賦存量が多く、元製油所である南西石油の桟橋および貯蔵設備を活用することにより大型タンカーによる輸入やコスト競争力のある原料確保が可能です。

本事業について、当社は三井物産株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:堀 健一)と共同検討することに合意し、2023年4月には内閣府沖縄総合事務局の「令和5年度沖縄型クリーンエネルギー導入促進調査事業」に採択されています。本調査事業は本事業の検討における一部と位置づけ、三井物産および南西石油と共同で実施中です。

環境に配慮したサステナブルツーリズムが注目されつつある中、観光産業が盛んな沖縄県において本事業を創出することにより、更なる経済発展が期待されます。
また、沖縄県は東アジアの中心に位置しており、沖縄県内や国内のみならず、アジア域へのSAF/RDの輸出も期待できます。将来的には国内産バイオマス原料の活用も視野に検討を進めてまいります。

ATJ技術* : アルコール(エタノール)を原料に触媒反応を通じてSAF/RDを製造する技術で、既に「ASTM D7566 Annex5」
として航空機への導入に必要なASTM規格を取得済み。

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    赤枠内:本事業における建設候補地